シンガポール航空「Restaurant A380@Changi」でニューノーマルなランチ体験-世界の「今」を駐在員の視点から

  • 2020年11月16日(月)

 海外駐在員が現地の「今」を伝える当企画。今回はシンガポールから、トラベルビジョンを運営するエフネスの現地法人ビジネスデベロップメントディレクターの石原真が、現地のニュースにも取り上げられたシンガポール航空(SQ)の「Restaurant A380 @Changi」をレポートします。

 シンガポールでは、9月頃から新型コロナウイルス(COVID-19)の感染者数が片手で数えられるほどまでに抑えられているものの、海外旅行をすることもできず、また旅行者がシンガポールに入国することもできない状況が続いています。

 観光産業がかつてない危機に直面するなか、SQは9月下旬に、自社保有のエアバスA380をレストランに仕立てた「Restaurant A380 @Changi」の実施を発表。総2階建て超大型機材のファーストクラス、ビジネスクラス、プレミアムエコノミークラス、エコノミークラスでランチまたはディナーが体験できるという斬新なアイデアは、海外旅行に出たくても出られないシンガポール中の人々から絶大な注目を浴び、チケットは販売開始からわずか30分で完売しました。

シンガポール人にとってSQとは?

 SQは東南アジアの小国シンガポールを代表する航空会社です。トラベルビジョンの読者の皆様には釈迦に説法と思い、詳しい説明は割愛しますが、世界中の旅行誌から最高級の評価を受け続ける、まさにシンガポールの象徴であり、シンガポール人の誇りのような存在です。

 SQの本拠地は、こちらもシンガポール人が世界に誇るシンガポール・チャンギ国際空港。7年連続でザ・ワールド・ベスト・エアポートを受賞中で、2019年にはターミナル1、 2、 3に囲まれるように輝く複合施設「ジュエル」もオープンしました。国土の狭いシンガポールにとってSQとチャンギ空港は国家戦略上も重要な位置を占め、経済と旅行業界の要となっています。

 余談ですが、地元ではSQをSingapore Airlinesと呼ばず、多くの人が「SQ」または「SIA」と呼んでいます。「Which airline are you flying with this time? 」「of course, SQ/SIA!」のように。

SQの現状

 「シンガポールの現状と旅行業界の展望 前編後編はこちら)」でも報告されている通り、シンガポールでは4月頃からCOVID-19の感染が拡大し、SQも他国の航空会社と同様、大幅な運休を余儀なくされています。加えてシンガポールには国内線がないため、その影響はより深刻です。2020年3月期決算では会社設立以来初となる約159億円の赤字を計上、続く2020年6月期決算では約857億円の赤字を計上。新規採用の凍結や早期退職の募集にとどまらず、9月には2割程度の人員削減を発表しました。搭乗業務のないパイロットやキャビンクルーなど一部のスタッフは、Safe Distancing Officer(人と人の接触を避けるための対策を街中でパトロールする係員)として社会貢献(CSR)にあたっています。

 「Restaurant A380 @Changi」はこのような困難な状況のなかで実施が決まりました。この事業は、国内線のないSQが旅行に行きたくても行けない国内の需要をスマートに汲み取ったニューノーマルな収益モデルであると同時に、シンガポールの旅行業界に向けた復活へのエールでもあるでしょう。

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